史 蕭逸Shoi Shi

所属:筑波大学 医学医療系/国際統合睡眠医科学研究機構

研究テーマ

データサイエンス

比較神経科学的に睡眠の保存性と多様性を理解する

01 研究概要

睡眠は哺乳類に限らず生物に広く保存された生理現象です。このような遺伝的に保存された現象の機構・機能を理解し、その進化的な意義を問うためには、生物種間で比較することが必要不可欠です。特に、生物の進化を鑑みると、ある種の神経構造はその種固有の性質による制約を受けることは否定できません。つまり、ある現象に関して定量的に複数の生物種を比較することで、種固有の性質と生物に共通する性質を大別し、生物の共通性における構造的・機能的最小単位を抽出することが可能になります。そこで私たちの研究室では、脊椎動物としてマウス、節足動物として社会性生物であるアリを対象とし、更に他の非モデル動物研究者とのコラボレーションを通じて、睡眠覚醒サイクルに共通する分子的、神経科学的な最小単位を抽出することを目指しています。

研究室サイト

02 主な論文

Sawada T, Iino Y ,Yoshida K, Okazaki H, Nomura S, Shimizu C, Arima T, Juichi M, Zhou S, Kurabayashi N, Sakurai T, Yagishita S, Yanagisawa M, Toyoizumi T, Kasai H, Shi S (2024) Prefrontal synaptic regulation of homeostatic sleep pressure revealed through synaptic chemogenetics. Science 385(6716):1459-1465. doi:10.1126/Science.adl3043

*Katori M, *Shi S, Ode KL, Tomita Y, Ueda HR. (*Equally contributed) 103,200 acceleration data in UK Biobank revealed a landscape of human sleep phenotypes. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 119(12) e2116729119 (2022)

*Yamada T, *Shi S, Ueda HR. (*Equally contributed) A Design principle of Spindle Oscillations in Mammalian Sleep. iScience 25(3), 103873 (2022)

*Yoshida K, *Shi S, Ukai-Tadenuma M, Fujishima H, Ohno RI, and Ueda HR. (*Equally contributed) Leak potassium channels regulate sleep duration. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 115 (40), E9459-E9468 (2018)

*Tatsuki F, *Sunagawa GA, *Shi S, *Susaki EA, *Yukinaga H, *Perrin D, Sumiyama K, Ukai-Tadenuma M, Fujishima H, Ohno RI, Tone D, Ode KL, Matsumoto K, Ueda HR. (*Equally contributed) Involvement of Ca2+ - Dependent Hyperpolarization in Sleep Duration in Mammals. Neuron. 90, 70-85 (2016)

03 経歴・受賞歴

経歴

2017年 東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻博士課程修了
2017年-2022年 東京大学医学部システムズ薬理学教室 助教
2017年-現在 理化学研究所生命機科学研究センター (BDR) 合成生物学研究チーム 客員研究員
2020年-2022年 慶應義塾大学医療政策管理学教室 特任研究員
2020年-2022年 上田生体時間プロジェクト ヒト睡眠計測グループ グループリーダー
2022年-現在 東京大学医学部システムズ薬理学教室 客員研究員
2022年-2025年 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)主任研究者 (助教)
2025年-現在 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)主任研究者 (准教授)

もっと知りたい!Q&A もっと知りたい!Q&A

なぜ研究を志したのですか?

研究がとても楽しい!

研究者になろうと思ったのは高校生の頃でした。自然にあるたくさんの『なぜ?』に思いを馳せながら『あーでもない、こーでもない』と考えることがとても好きでした。自然の中でも生命はとても深淵で、そして多様で、1人の小さな頭で考えてもまったく答えは出ませんし、せっかく思いついたアイデアも既に誰かが思いついたものだったりしますが、それでも毎日実験して、解析して、データを眺めながらアイデアを考えることはとても楽しいです。

研究室の「ウリ」はなんですか?

問いと技術開発の両輪で進める比較神経科学

研究者として生命現象に対する自身の問いを持つことが非常に重要であると考えています。一方で、新しい技術が開発されるとそれを通じて見える世界が一変して新たな問いが生まれます。そこで私たちの研究室では、睡眠の理解を縦軸としながら、その横軸となる、生物種間を定量的に比較する技術の開発を行います。神経科学的な手法だけでなく、遺伝学や、計算科学など様々な手法を駆使して研究を進めていきたいと考えています。バックグランドは問いません。睡眠という現象に興味がある方、比較神経科学の技術開発に興味のある方、睡眠に限らず自分自身の問いがある方はぜひご連絡ください。

最近ハマっているものは?

ランニングと筋トレ

学生時代はボルダリングや格闘技、映画鑑賞、美術館巡りと多趣味でしたが、最近は時間がなかなか取れていません。つくば駅から研究室まで毎日走ったり、PI室で筋トレしたりしています。