01 研究概要

細胞は、環境刺激に応答し、シグナルや代謝などの連続した化学反応によって恒常性を維持しています。これらの応答が細胞膜から核内に集約され、ヒストン、転写因子、リボソームタンパク質やRNAがメチル化されることで、遺伝子発現を調節しています。メチル化反応は、摂取する栄養によって変化し、エピゲノムに大きな影響を与えます。本研究室では、マウスや線虫などのモデル生物の遺伝学的手法を駆使して新しいメチル化酵素を発見し、“栄養、ホルモン、ストレスシグナル”が核内情報伝達に与える影響を解明することで、寿命の分子メカニズムや、妊娠高血圧の発症の仕組みを理解することを目指しています。

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研究室メンバー

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02 主な論文

Sha L, Daitoku H, Araoi S, Kaneko Y, Takahashi Y, Kako K, Fukamizu A. Asymmetric arginine dimethylation modulates mitochondrial energy metabolism and homeostasis in Caenorhabditis elegans. Mol. Cell. Biol. 2017 37 (6), pii: e00504-16. doi: 10.1128/MCB.00504-16.

Nezu M, Souma T, Yu L, Sekine H, Takahashi N, Wei AZ, Ito S, Fukamizu A, Zsengeller ZK, Nakamura T, Hozawa A, Karumanchi SA, Suzuki N, Yamamoto M. Nrf2 inactivation enhances placental angiogenesis in a preeclampsia mouse model and improves maternal and fetal outcomes. Science Signal. 2017 10 (479). pii: eaam5711. doi: 10.1126/scisignal.aam5711

Kim JD, Park KE, Ishida J, Kako K, Hamada J, Kani S, Takeuchi M, Namiki K, Fukui H, Fukuhara S, Hibi M, Kobayashi M, Kanaho Y, Kasuya Y, Mochizuki N, Fukamizu A. PRMT8 as a phospholipase regulates Purkinje cell dendritic arborization and motor coordination. Science Adv. 2015 1(11), e1500615. doi: 10.1126/sciadv.1500615

03 経歴・受賞歴

経歴

1987年 筑波大学 助手 応用生物化学系(遺伝子実験センター)
1990年 筑波大学 講師 応用生物化学系
1995年 筑波大学 助教授 応用生物化学系
1999年 筑波大学 教授 応用生物化学系(先端学際領域研究センター)
2002年 「21世紀COEプログラム」(生命科学)拠点リーダー(〜2007年)
2004年 高峰譲吉賞(日本心血管内分泌代謝学会)
2006年 筑波大学 先端学際領域研究センター センター長
2010年 筑波大学 生命領域学際研究センター 教授
2011年 文部科学省 新学術領域研究「転写代謝システム」領域長(〜2015年)

受賞歴

1993年 日経BP技術賞・医療部門(日経BP社)
1993年 研究奨励賞(高血圧自然発症ラット学会)
1996年 つくば賞(茨城県科学技術振興財団:共同受賞)
1996年 奨励賞(日本生化学会)
1998年 高峰譲吉研究奨励賞(日本心血管内分泌代謝学会)
2015年 高峰譲吉賞(日本心血管内分泌代謝学会)