ねむりのQ&A

睡眠の基礎知識から日々のお悩み相談まで、
世界トップレベルの睡眠科学研究拠点が
眠りに関する質問にお答えします。

お悩み相談

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加齢にともない眠りの持続性が低くなっていくため、中年(40歳~50歳)以降の方については夜中に目がさめてしまうことは正常です。少し目がさめる程度であれば問題ありませんのでご安心ください。しかしながら、3~4回以上何度も起きてしまう場合や、次の日の生活に影響するほど目がさめてしまうようでしたら、日本睡眠学会の認定をうけた専門医にかかることをおすすめします。 睡眠の専門医の一覧:http://jssr.jp/data/pdf/list/nintei_ishi.pdf

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不眠症の治療には認知行動療法(CBT-I)が有効です。ウェブ上にマニュアルが掲載されていますので、そちらをお読みいただき、できる事から実行してみてください。それでも治らなければ、日本睡眠学会の認定をうけた専門医に見てもらってください。
CBT-Iマニュアル(朝倉書店):https://www.asakura.co.jp/G_27_2.php?id=113
睡眠の専門医の一覧:http://jssr.jp/data/pdf/list/nintei_ishi.pdf

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少しいびきをかくだけなら問題ありませんが、呼吸がとまっている場合は眠りの質がとても悪くなるだけでなく高血圧・脳卒中等のリスクが非常に高くなるため、必ず検査に行ったほうがいいでしょう。IIISの佐藤誠教授 は睡眠時無呼吸症候群の専門家で、彼は抱き枕を抱えながら横向きで眠ることを推奨しています(いびきは仰向けに寝たときに舌が顎のほうに下がることで起こるため)。肥満だけがいびきの原因ではありませんが、体重を減らすことでいびきを緩和することができます。

睡眠の基礎知識

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私たちが眠らなければならない理由はまだわかっていません。睡眠は「休息」と表現されることもありますが、睡眠中、脳はエネルギー消費をほとんど落とすことなく積極的に働いています。記憶の整理や取捨選択、脳機能の回復作業等が行われていることが報告されていますが、これだけでは「なぜ眠らなければならないのか」という問いに対し、説明が不十分です。眠らないとパフォーマンスが落ちますし、健康被害もありますので、十分な睡眠が大切なことだけは事実です。

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一人ひとり違います。
睡眠時間に関するデータは疫学調査によって集められており、成人の場合ほとんどの人が6時間~8時間程度の睡眠が必要だと考えられています。日中に眠気を感じる、平日と休日で睡眠時間に2時間以上の差がある、などは寝不足のサインですので、これらの症状がでないような睡眠時間をご自身で試しながら探しだしていくことが唯一の方法です。

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寝室の環境を整えることが重要です。①部屋を暗くすること、②静かな環境にすること、③温度湿度を快適に保つことです。この三つのことを気にかけるだけで睡眠の質がよくなります。また、寝る前に水を飲みすぎない、カフェインを摂取しない、お酒を飲みすぎない、寝る直前はリラックスした時を過ごすことも大切です。寝るときのルーティンを決めることも効果的です。

睡眠の豆知識

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夢の機能は全くわかっていません。ストレスとなる事柄に直面した時の状況を夢のなかで予行演習していて、現実に起こるかもしれない「恐怖体験」や「様々な葛藤状態」に備えているのではないか、とする学説もあります。しかしながら、証明されているわけではありませんので、わからないというのが正直なところです。

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体質的にショートスリーパーの人がどの程度いるかは、大規模に調査されていないのでわかりませんが、本当に必要睡眠量が5時間未満の人は1000人に1人もいないと思います。誰でもショートスリーパーになれるようなことを言う人もいますが、ほとんどが嘘で、睡眠不足であることをごまかしているだけです。睡眠不足になるとパフォーマンスが下がったり健康被害があったりと、良いことはひとつもありません。やはり適切な時間眠ることが大切です。

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居眠り病とも呼ばれ、健常の人ではありえないタイミングで急に眠ってしまったり、感情が動かされたときなどに突然身体が脱力してしまう病気です。科学的には、睡眠覚醒のスイッチが非常に不安定になった疾患と解釈されます。1000〜2000人に1人の割合で起こる病気と考えられていますが、正しく診断されていない潜在的な患者さんがたくさんいると言われています。IIIS機構長の柳沢正史と副機構長の櫻井武は、その欠乏がナルコレプシーの原因となるオレキシンという脳内物質を発見しました。IIISでは、ナルコレプシー患者さんを病因治療するための医薬の開発にも取り組んでいます。

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広島大学の林光雄教授が、大学1年生向けに、睡眠日誌をつけて自分の睡眠を可視化し、睡眠を改善していくような授業を実施しています。この授業を受けた大学生は「世界が変わった」と感じるほど日常のパフォーマンスが上がっているそうです。アメリカではコミュニティレベルでの取り組みがされており、そのひとつが学校の始業時間を遅らす「Start School Later」。思春期から20代では体内時計が遅れて、早寝早起きには向かないことが科学的に証明されており、学校の始業時刻を遅らせることで生徒たちが授業に集中できるような環境づくりを積極的に行っているのです。