堀江和正Kazumasa Horie

所属:筑波大学 計算科学研究センター

研究テーマ

データサイエンス

AI・データサイエンスによる睡眠計測データ解析と睡眠・神経疾患への応用

01 研究概要

私は、睡眠計測データの解析を通じて、睡眠・神経疾患の理解と評価支援に関する研究を進めています。研究の目標は、睡眠に悩む人を減らし、より適切な評価や支援につなげられる社会を実現することです。そのために、睡眠医療・睡眠研究の現場で負担の大きい業務を支援する技術の開発に取り組んでいます。 睡眠は健康や認知機能、精神状態と深く関わる重要な生命現象であり、その異常はさまざまな疾患や生活の質の低下とも関係します。一方で、睡眠の評価には専門的な知識と多くの時間が必要であり、医療現場や研究現場において大きな負担となることがあります。 私は、こうした課題に対して、脳波などの生体信号を対象に、AI・データサイエンスの手法を用いた睡眠ステージ判定、睡眠関連疾患や神経疾患のスクリーニング、睡眠データからの病態情報の抽出などに取り組んでいます。計算科学の立場から睡眠の理解を深めるとともに、医療現場や在宅計測で実際に役立つ技術へとつなげることで、睡眠研究の発展と社会実装の両方に貢献したいと考えています。

研究室サイト

02 主な論文

Horie K, Miyamoto R, Ota L, Abe T, Suzuki Y, Kawana F, Kokubo T, Yanagisawa M, Kitagawa H. An ensemble method for improving robustness against the electrode contact problems in automated sleep stage scoring. Sci Rep 14: 21894. 2024. Doi: 10.1038/s41598-024-72612-8

Horie K, Miyamoto R, Ota L, Abe T, Suzuki Y, Kawana F, Kokubo T, Yanagisawa M, Kitagawa H. Automated sleep stage scoring employing a reasoning mechanism and evaluation of its explainability. Sci Rep 12: 12779. 2022. Doi: 10.1038/s41598-022-16334-9

Yamabe M, Horie K, Shiokawa H, Funato H, Yanagisawa M, Kitagawa H. MC-SleepNet: Large-scale Sleep Stage Scoring in Mice by Deep Neural Networks. Sci Rep 9: 15793. 2019. Doi: 10.1038/s41598-019-51269-8.

03 経歴・受賞歴

経歴

2012年 筑波大学工学システム学類卒業
2014年 筑波大学大学院システム情報工学研究科博士前期課程修了
2017年 筑波大学大学院システム情報工学研究科博士後期課程修了・博士(工学)
2017年 - 2018年 筑波大学 研究員
2018年 - 現在 筑波大学計算科学研究センター・助教
2026年 - 現在 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 主任研究員(PI)

受賞歴

2014年 The student paper award of NCSP'14
2017年 平成28年度 研究科長表彰
2025年 令和6年度 システム情報系教育貢献賞

もっと知りたい!Q&A

なぜ研究を志したのですか?

気がついたらこの道に。原点は「ドラえもん」と「攻殻機動隊」

研究者を志したというより、気がついたらこの道に進んでいた、という方が正確かもしれません。祖父、おじ、父と、大学教員をしていた家族が身近にいたこともあり、研究という仕事はもともと自然な選択肢の一つでした。また、物事の仕組みを考えたり、条件を少し変えて違いを確かめたりすることが昔から好きで、研究という営みそのものが自分の性分に合っていたのだと思います。 AIや生体信号の分野に関心を持った背景には、子どもの頃から親しんできたSF作品の影響もあります。AIへの興味の原点には『ドラえもん』のような知的な機械への憧れがあり、生体信号や人間の内側をデータとして捉えることへの関心には『攻殻機動隊』の影響があったように思います。そうした関心が、現在の研究につながっているのだと感じています。

研究室の「ウリ」はなんですか?

睡眠×計算科学で、現場で「使える技術」を作る

私の研究室のウリは、睡眠医科学と計算科学を橋渡ししながら、研究を実際に使える技術につなげようとしている点です。脳波などの生体信号を含む睡眠データを解析し、睡眠ステージ判定、睡眠関連疾患や神経疾患の評価支援、さらには睡眠データに含まれる個人差や病態情報の理解にも取り組んでいます。 睡眠医療や睡眠研究の現場では、専門家の知識と多くの時間を要する作業が少なくありません。私の研究室では、そうした負担の大きい業務を支援し、臨床現場や在宅計測でも役立つ形に技術を落とし込むことを重視しています。新しい知見を得るだけでなく、それを社会の中で使える形にしていくことが研究室の特徴だと思います。

最近ハマっているものは?

料理・飲食店のメニュー再現

最近ハマっているのは料理です。結婚をきっかけに以前より積極的に作るようになったのですが、やってみると研究に近い面白さがあります。同じメニューでも調味料や加熱の仕方を少しずつ変えて、仕上がりや食べた人の反応の違いを確かめるのが楽しいです。飲食店のメニュー再現も好きで、最近はコメダ珈琲の網焼きチキンホットサンドの再現を試しています。名前には「網焼き」とありますが、本当にそうなのか考えながら試行錯誤するのも楽しみの一つです。