左から柳沢教授、Mignot教授、木村教授・IIIS事務部門長(座長)

2023.09.19

「ブレークスルー賞」受賞記念講演が横浜で開催

 自然科学における国際的な学術賞「ブレークスルー賞」生命科学部門を受賞した筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の柳沢正史機構長が、共同受賞者の米スタンフォード大学のEmmanuel Mignot教授とともに9月16日、横浜で受賞記念講演を行いました。
 本講演は柳沢教授が大会長を務める第45回日本睡眠学会学術集会のプログラムの一環として、定例の大会長講演に代えて企画されました。両氏が一緒に講演したのは2022年9月にブレークスルー賞を受賞して以来初めてです。
 講演では両氏がそれぞれの研究室を運営し、異なる研究プログラムを推進してきた中で、ブレークスルー賞受賞のきっかけとなる過眠症「ナルコレプシー」の病態解明に辿り着いた経緯などについて話しました。
 柳沢教授は新規生理活性ペプチド「オレキシン」を発見し、それが欠如しているオレキシンKOマウスが情動脱力発作(カタプレキシー)の表現型を示すことを明らかにしました。同じころ、Mignot教授はイヌのナルコレプシーの原因はヒポクレチン(オレキシン)受容体2の遺伝子変異であることを突き止めました。これらの発見が発端になり、ヒトの場合には免疫系がオレキシンを生成する細胞を攻撃することで過眠症「ナルコレプシー」が引き起こされることが解明され、症状を緩和する治療法まで結びつきました。
 会場では定員を上回る500人以上の参加者が耳を傾けました。

ブレークスルー賞

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