2024.03.21
睡眠時無呼吸症候群の評価における在宅用睡眠時脳波測定の有効性を確認
株式会社S’UIMINは、社会医療法人春回会 井上病院および筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構との共同研究により、遠隔医療で活用できる睡眠時脳波測定が、睡眠時無呼吸症候群患者の早期発見や睡眠評価に十分な精度を有していることを確認しました。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、世界で10億人以上と推計されています。日本でも中等症以上の患者だけで900万人以上が罹患していると推定されていますが、睡眠障害の診断に使われる終夜睡眠ポリグラフ(PSG)は年間わずか8万件しか行われていません。なお、PSG検査は医療施設等への入院を必要とするため多大な費用や時間を要し、睡眠時呼吸検知装置による簡易検査は在宅で実施できるものの睡眠脳波が得られないため再度のPSG検査を要するケースが多く、患者の負担を軽減する新たな検査が求められています。
そこで今回は、在宅等での遠隔医療で実施可能な睡眠時脳波測定のOSA患者に対する有効性を、患者77人を対象としたPSG検査との同時計測によって評価しました。
その結果、それぞれの検査から算出した11種類の定量的睡眠指標(総睡眠時間、各睡眠ステージの割合、覚醒反応指数、呼吸イベント指数もしくは無呼吸低呼吸指数等)すべてに高い同等性が確認され、在宅用睡眠時脳波測定で得られた覚醒反応指数によって睡眠時無呼吸症候群患者が高い精度でスクリーニングできることも確認されました。
本研究により、健常者と睡眠状態が異なるOSA患者に対しても在宅用睡眠時脳波測定が有効であることが明らかとなり、遠隔医療による診断や経過観察等によって睡眠障害患者の負担を大幅に軽減できる期待が高まりました。
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