2018.10.25
自然に近い眠りを誘う新たな不眠症治療薬の可能性 〜睡眠誘発物質アデノシンのシグナル伝達経路への新アプローチ〜
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の斉藤毅助教、ムスタファ・コルクタタ(大学院生)、長瀬博教授、ミハエル・ラザルス准教授らの研究グループは、アデノシンA2A受容体からのシグナルを増強させる作用を持つ新規低分子化合物 A2AR PAM-1が、徐波睡眠の総量を増加させ、自然に近い眠りを促すことを示しました。
現在、国民の10〜15%、高齢者の30〜60%もの人が不眠症に悩んでいると言われています。不眠症の治療は薬物療法を中心に行われていますが、既存の睡眠薬はその副作用がしばしば問題となり、より自然に近い眠りを促す新しい作用機序の薬剤の開発が求められています。
今回発見された、アデノシンA2A受容体からのシグナルを増強させる作用を持つ新規低分子化合物は、従来の睡眠薬とは異なる新しい作用機序の不眠症治療薬として、特に入眠困難を訴える患者さんの治療への応用が期待されます。
本研究成果はNeuropharmacology誌オンライン版にて2018年10月15日に先行公開されました。
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