01 研究概要
私たちの研究室では、大学発の創薬をキーワードに掲げて研究を行っています。第一にターゲットとしているのは、オレキシン受容体作動薬(アゴニスト)の開発です。我々はこれまでに世界初のオレキシン作動薬の創出に成功しています。今後は、オレキシン欠損による睡眠障害・ナルコレプシーの特効薬に育てていく予定です。また、作動薬ばかりでなく、薬物依存症治療薬を目標とした拮抗薬(アンタゴニスト)の開発も行っています。 同様に、オピオイド受容体に作用する薬物の開発も行っています。オピオイド受容体作動薬として有名なものに癌性疼痛治療薬モルヒネがありますが、依存性、便秘、呼吸抑制など様々な重篤な副作用があります。私たちは、これらの副作用を分離した新しい鎮痛薬の開発も目指しています。さらに、抗うつ、抗不安薬、抗ガン薬の開発も行っています。
| 研究室サイト |
|---|
長瀬研究室メンバー
02 主な論文
Nagase, H.; Yamamoto, N.; Yata, M.; Ohrui, S.; Okada, T.; Saitoh, T.; Kutsumura, N.; Nagumo, Y.; Irukayama-Tomobe, Y.; Ishikawa, Y.; Ogawa, Y.; Hirayama, S.; Kuroda, D.; Watanabe, Y.; Gouda, H.; Yanagisawa, M. “Design and Synthesis of Potent and Highly Selective Orexin 1 Receptor Antagonists with a Morphinan Skeleton and their Pharmacologies” J. Med. Chem. 2017, 60, 1018–1040.
Nagahara, T.; Saitoh, T.; Kutsumura, N.; Irukayama-Tomobe, Y.; Ogawa, Y.; Kuroda, D.; Gouda, H.; Kumagai, H.; Fujii, H.; Yanagisawa, M.; Nagase, H. “Design and Synthesis of Non-Peptide, Selective Orexin Receptor 2 Agonists” J. Med. Chem. 2015, 58, 7931–7937.
Kawai, K.; Hayakawa, J.; Miyamoto, T.; Imamura, Y.; Yamane, S.; Wakita, H.; Fujii, H.; Kawamura, K.; Matsuura, H.; Izumimoto, N.; Kobayashi, R.; Endo, T.; Nagase, H. “Design, synthesis, and structure–activity relationship of novel opioid κ-agonists” Bioorg. Med. Chem. 2008, 16, 9188–9201.
03 経歴・受賞歴
経歴
| 1976年 | 理学博士取得(名古屋大学) |
|---|---|
| 1985年-1987年 | ミネソタ大学留学 |
| 2001年-2004年 | 東レ医薬研究所 所長 |
| 2004年-2012年 | 北里大学薬学部 教授 |
| 2013年 | 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 教授(現職) |
| 2014年 | 筑波大学大学院 人間総合科学研究科医学系専攻 フロンティア医学専攻(修士課程) 教授(兼担) 筑波大学大学院 人間総合科学研究科医学系専攻 生命システム医学専攻(博士課程) 教授(兼担) 筑波大学大学院 数理物質科学研究科 教授(兼担) |
| 2015年 | 筑波大学大学院 ライフイノベーション学位プログラム 創薬開発領域 創薬化学/薬理学分野 教授/科目責任者(兼任) |
受賞歴
| 1995年, 2013年 | 大河内記念技術賞 |
|---|---|
| 1996年, 2013年 | 有機合成化学協会賞(技術的) |
| 1996年 | 全国発明表彰弁理士会会長賞 |
| 1997年, 2010年 | 日本薬学会創薬科学賞 |
| 2013年 | 全国発明表彰発明賞 |
| 2014年 | 第14回山﨑貞一賞 |
なぜ研究を志したのですか?
自然に「世界に通用する化学者になりたい」と考えていました。
化学とのはじめての出会いは、高校生2年生のときでした。実験をしていて「何かを混ぜ合わせることで新しいものを作ることができる」とすぐに夢中になりました。そして大学4年生の時に、人生のターニングポイントを迎えました。当時、名古屋大学でフグ毒の構造決定で大きな功績を残した平田義正先生の研究室に入ったのです。その研究室の出身者はハーバード大学、コロンビア大学の教授をしていた人など”超”がつくほど優秀な人ばかりで「世界に勝つ!」という高い意欲を持ちながら、土日、深夜を問わず働くような研究者ばかりでした。今では考えられないほどのスパルタ教育を自然に行える人たちの集まりでしたね。そういった環境にいると自然に「世界に通用する化学者になる」と考えるようになっていました。
研究室の「ウリ」はなんですか?
“創薬 = 薬を世に出す”ことができる
“創薬 = 薬を世に出す”という重大なミッションに対し、私たちは「ドラッグデザイン」と「有機合成化学」を駆使しています。すなわち、「薬になるような有機化合物を設計し合成する力」と、「薬物活性評価(柳沢グループ)の結果を考慮しながら、標的化合物の構造を再考し最適化していく力」が必要になります。そのためには、有機合成化学だけではなく、医学、薬学、生化学、分子生物学、薬理学、薬物動態学、製剤学など、様々な学問に精通していなければなりません。私たちの研究室では、研究活動全体を通じてそれらを学び、養うことが出来ます。 博士課程を卒業する頃には、製薬企業で研究する上で、即戦力の実力を身につけることできます。
最近ハマっているものは?
ワイン
私がワイン好きなこともあって、研究室では時折ワインを飲む会を開催しています。でも、実はワインを好きになったのは50歳を過ぎてからのこと。むしろ、それまでは美味しいと思ったこともなかったのですが、オーパス・ワンというカルフォルニアワインに出会ってから人生が変わりました。本当に美味しかったですね。それからいろいろなワインを飲むようになり、100万円もするボルドーワインを飲むこともありました。 ワインは、値段でいうと一万円以上で、年月を経て熟成したワインほど美味しくなるのです。今、私が持っている中で一番古いワインは私が生まれた1947年製のものと、女房が生まれた1952年製のワイン。いつ飲もうか悩んでいます。




























