01 研究概要

私たちの研究グループは、哺乳類における体内時計の分子機構について研究を行なっています。これまでに、時計遺伝子Periodを中心として、時計遺伝子の同定およびその細胞内での時間発振機構、単一細胞におけるリズム、および時計による細胞周期の制御機構等を明らかにしてきました。近年では、体内時計中枢である視交叉上核の遺伝子を網羅的に採取し、そのノックアウトマウスの行動リズムを測定し、新たな睡眠覚醒リズムの分子機構を樹立するためのSCN-Gene Projectを展開しています。この過程で、mRNAメチル化修飾とGタンパク質を介したシグナル伝達の重要性を解明し、時差や食塩感受性の高血圧症を引き起こす分子機構を同定しました。最近、より直接的にヒトのリズム異常解明するため、昼行性霊長類の生体リズム検出系の確立に力を入れています。

研究室サイト

02 主な論文

Doi M, Murai I, Kunisue S, Setsu G, Uchio N, Tanaka R, Kobayashi S, Shimatani H, Hayashi H, Chao HW, Nakagawa Y, Takahashi Y, Hotta Y, Yasunaga J, Matsuoka M, Hastings MH, Kiyonari H, Okamura H: Gpr176 is a Gz-linked orphan G-protein-coupled receptor that sets the pace of circadian behaviour. Nature Commun., 7, 10583, 2016.

Fustin JM, Doi M, Yamaguchi Y, Hayashi H, Nishimura S, Yoshida M, Isagawa T, Morioka MS, Kakeya H, Manabe I, Okamura H: RNA-methylation-dependent RNA processing controls the speed of the circadian clock. Cell, 155, 793-806, 2013.

Yamaguchi Y, Suzuki T, Mizoro Y, Kori H, Okada K, Chen Y, Fustin JM, Yamazaki F, Mizuguchi N, Zhang J, Dong X, Tsujimoto G, Okuno Y, Doi M, Okamura H: Mice genetically deficient in Vasopressin V1a and V1b receptors are resistant to jet lag. Science, 342, 85-90, 2013.

03 経歴・受賞歴

経歴

1952年 滋賀県生まれ
1979年 京都府立医科大学医学部卒業
国立岡山病院小児医療センター研修医を経て、81年京都府立医科大学助手、87年同講師
1987年~89年 フランス国立医学研究所・同科学研究所に留学
1990年 京都府立医科大学助教授
1995年 神戸大学医学部教授
20007年5月 京都大学大学院薬学研究科医薬創成情報科学講座システムバイオロジー分野教授、現在に至る

受賞歴

塚原仲晃記念賞(99年)、井上学術賞(01年)、日本医師会医学賞(03年)、井植記念賞(04年)、紫綬褒章(07年)、Aschoff-Ruler Prize 受賞(08年)、東レ科学技術賞(16年)